SHINE NEW ZEALAND LIFE

道産子アラサー男子のNZライフ

【002】ワイタンギ・ディ

本日2月6日は、ニュージーランドでは

ワイタンギ・デー(Waitangi Day)で祝日です。

 

このワイタンギ・デーは、

1840年2月6日に、先住民族マオリ族と、

イギリス王権との間で締結された条約が起源です。

 

その条約とは・・・

  1. すべてのマオリ族は英国女王の臣民となりニュージーランドの主権を王権に譲る。
  2. マオリの土地保有権は保障されるが、それらの土地は全てイギリス政府へのみ売却される。
  3. マオリはイギリス国民としての権利を認められる。

 

一見、「そういう条約かぁ~」と思える条約でした。

しかし、この条約、英語からマオリ語に翻訳する際、問題がありました。

主権を表す英語「sovereignty」はマオリ語に存在しなかったため、

マオリ語の造語「kawanatanga/カワナタンガ」を使用。

この造語は「主権」よりも「支配/governance」に近かったそう。

その為、マオリの人々の認識は「土地全ては自分たちのもの」という一方、

白人側は「ニュージーランドはイギリスの植民地」

というとらえ方をしていたそうです。

 

いつだか、日本に来た米国人と交わした条約と、何だか似ている気がしませんか?

 

その後、30年間マオリ族が反発し、反乱になるわけですが

反乱は鎮圧され、ニュージーランド政府は100年にわたり問題を放置・・・。

1975年に漸くワイタンギ審判所が立てられ、再度審議が始まりました。

一部、取られた土地を返還し

英語以外にマオリ語が公用語に加わりました。

 

 

島国のニュージーランドですが

各集落にマオリ族が点在していましたが

イギリスによって一つの国になった。

建国記念の日としてお祝いという一面と

先住民族と白人との間にあったこと。

 

かの、黒船がやってきて

不平等な条約を締結したという歴史や

先住民であるアイヌとの話を聞く機会がある

ボク、道産子としては

何だか考えさせられるニュージーランドの祝日であります。

 

ボク自身、北海道の南西部出身で

アイヌの人とは意識して接したことが無かったのですが

ニュージーランドに語学留学をして帰国し(2007年)

札幌の専門学校に入学のため移ったころ(2010年前後)

アイヌの人が主催したイベントに行ったり

社会人になって道東のコタン(アイヌ人の村)を訪れたり

結構、アイヌ民族について親しみを湧いてました。

そんな中、マオリとアイヌの交流会が北海道であった時に

伝統的なマオリのタトゥーが入っているが上に

公衆浴場から入場拒否をされたというニュースを見た時

何とも言えない気持ちになりました。

 

もちろん、公衆浴場のルールも理解できるし

伝統的な慣習であるタトゥーも理解できる。

自国の慣習と国際的な考えの融合は

どのように対処していけば

皆が嫌な思いをせずに

楽しく交流ができるのか。

 

これからも探るテーマなのかな。